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第3回 (2)

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まず、23を16で割るところからですが、

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とこんな風に縦に数字を並べてください。そして、商1と余り7を

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と割る数の右、下にそれぞれ書きます。今度は縦に並んだ16と7をそれぞれ割られる数、割る数と見て同じことをします。割り切れるまで繰り返すと、

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とこんな感じ。なお、割り算のときに余りを求めるのに、「割る数×商」の値が必要ですが、余りが出たあとは使用しない値なので書く場合は上記のように脇に小さく書くようにしましょう。また、最後割り切れたときの余り(=0)は書く必要はありません。このとき緑枠で囲った部分が23と16の最大公約数となります。ここまでがユークリッドの互除法にあたる部分です。

次にここから一次不定方程式の解の1組を求める過程になります。最初に、

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とこんな風に最大公約数が出た段の一段上の右側に定数「1」を立てます。(この1は最大公約数の1ではなく、あくまで定数であっていつでも1と思ってください。)そして次、

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書き入れた1に左にある「商」3をかけた「3」を、そのさらに右に書きます。この値「3」をそのすぐ上に書いてください。そして今度は左にある「商」2をかけた「6」をすぐ左に書きます。左右の移動は左にある「商」の値をかける、と思ってください。今度は上に移動するのですが、そのまま移動ではなく、…

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と、下の値「1」と足し算をして1+6=「7」を上に書きます。このような蛇腹状の移動を繰り返して最上段までやると、

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という形に。右の縦2列のうち左側は符号+、右側は符号-であり、各列の一番上にある数が一次不定方程式の解の1組、となります。具体的には、出てきた7、10の右側はマイナスで、これらを最初に書いた23、16にバッテンの形にかけると、

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の式が得られるのです。少しややこしいかもしれませんが、慣れると式から代入を何度も繰り返すよりはるかに早いです。

もう1つ例をあげます。102と71の例。

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この場合は
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となります。
一般に、「=最大公約数」型の一次不定方程式でも同じです。126と91の最大公約数は、7なので、一次不定方程式
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の解の1組を求めると、

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から、
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つまり
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となります。最大公約数が7でも右縦2列の左下は1と書き入れることに注意。


では、練習問題。一次不定方程式

19.png

の整数解を1組求めよ。→解答

どうでしょうか。少しか計算が楽になった感覚を持っていただけたでしょうか?
ちなみに「掘削式」というのはまたまたセンスのないネーミングですが、温泉を掘る「掘削」をイメージしたものです。地上から掘って掘って、最大公約数という温泉にたどり着いたら、それが地上まで噴出し、それが一次不定方程式の解になる。うん、やっぱり今一・・・何かいい名前があったらぜひぜひ掲示板か、メールでお寄せください。

ではまた次回お会いしましょう。

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